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これまでの「自然ガイド・環境保全指導者コース」
の廃止と変更

環境教育がすべての基本

ゼミ風景北大大学院・地球環境科学研究科地球生態学講座に設置されていた「自然ガイド・環境保全指導者コース」は2005年度より北大大学院・環境科学院 環境起学専攻 統合コースにとりこまれ、より広い枠組みのもとでさらに充実した教育が行なわれるようになりましたが、北海道知事の認可であった北海道アウトドアガイド資格制度が、2006年4月より、知事の認可ではなくなったことから、この制度にもとずく人材養成機関としての登録は廃止することにしました。

この制度には私自身が直接関わり、カリキュラムの設定やテキストの作成、試験にも携わってきましたので、知事の認可のもと、これまで責任をもって一定のレベルの人材を育成できてきましたが、知事認可でなくなった時点で、そのレベルを保障できなくなったと判断したためです。私の講義(野外環境学特論)、環境保全教育法演習環境保全教育法実習のすべてをとり、自然ガイドを目標とする修士論文研究を行なえば北海道アウトドアガイド資格試験において筆記試験が免除される、という特典はなくなります。しかし、自然ガイドや環境保全NPOで活躍する人材を育てるための教育はこれまでどおり行ないますし、インターンシップ制が導入されましたので、自然学校やビジターセンター、環境NPOなどでインターンを経験しながら、ガイドや環境保全活動をめざす修士論文の研究を行なうことは以前よりはるかに容易になりました。

インターンシップとして、JICAのプロジェクトへの参加も視野に入れており、すでに環境保全教育法実習では、JICAの特設研修コース「地域流域環境管理」、「湿地保全」などで、すでに海外からの研修生とともに実習を受ける機会を設けています。トップページの写真は、JICA「地域流域環境管理」コースの研修生と毎年、実施している、千歳川流域の環境管理の実習風景です

水俣・札幌展を主催しよう!

「自然を見つける物語」

修士生たちはどんな修士論文をまとめているの?

 参考までに、これまでの修了生がまとめた修士論文のタイトルは以下のようなものです。

2004年度(旧・地球生態学講座:自然ガイド・環境保全指導者コース修了生)

野島智司 「黒松内町歌才ブナ林における樹洞性コウモリ類と環境教育」
高橋美緒 「札幌市におけるチゴハヤブサの営巣環境と環境教育」
坂部皆子 「冬季間の羅臼沿岸におけるワシ類の目視調査とその評価」
飯村幸代 「底生生物の多様性から見た道東の干潟の機能評価」
土栄拓真 「大雪山国立公園・表大雪山域におけるツアー登山の実態と管理手法の方向性」
大滝陽美 「干潟を使った環境教育:佐賀県鹿島市の取り組みを例として」
鈴木晴江 「エコツーリズムの視点からみた北海道アウトドア資格制度の問題点とその改善」

2005年度修了生

広瀬彩奈 「国立公園・支笏湖地域におけるトレイルのバリアフリー整備の問題点と課題」
西原重雄 「北海道日高地方ヌカビラ川流域でのアイヌ語地名を題材としたエコツアー・プログラムの開発と課題」

2006年度修了生

岩館知寛「ダムが水生昆虫に与える影響――北海道天塩川水系岩尾内ダムによる事例」
長津恵「野幌森林公園松川の池におけるエゾホトケドジョウの生態」
半沢千文「石狩川下流・茨戸川におけるカワセミの生息環境」

2007年度修了予定者

小笠原聡「天塩川水系岩尾内ダムの陸水環境について」
佐藤剛「天塩川水系・岩尾内ダム下流域における流下水生昆虫相の動態」


 就職事情(2004−2005年3月修了生8名)

1:大雪山での山岳ガイド
2:シレトコでの自然ガイド
3:知床環境財団のスタッフ(世界遺産対応)
4:日本交通公社調査室(エコツーリズム対応)
5:自然系出版社
6:環境コンサルタント
7:大学院博士課程進学
8:調査地の行政マンと結婚

いちばん強調したいことは、それぞれの学生が、修士課程の2年間で学んだことをそのまま生かした職につけたことです。
修士課程でどんなにいい研究をしても、大学院を出たとたん、大学院での研究とはまったく無関係な職についてしまう人が多いなかで、これだけはこのコースのよかった点といえると思います。最後の8は、就職というかたちにはなりませんでしたが、専門的知識をもった人材の供給という点では、もしかしたら地域での将来の環境教育やエコツーリズムへの最大の貢献になったかもしれません。自然ガイドはまだ年収300万の世界とも言われています。しかし、ほんとうに自然が好きなら、北海道では、好きなことをやって、それで食べていけるのです。
何よりも、自分ががんばることで、自然や環境への理解が深まり、未来の子供たちへの教育を高めることができる、自然を壊すムダな公共事業を減らし、いわれのない差別をなくして、私たちの社会をよくすることができる。そういうことができるための勉強をしませんか?


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水俣・札幌展を主催しよう!

 水俣病を知らない世代に、水俣病の教訓を語り継ぎ、水俣病を風化させないために、水俣病の写真や資料を展示する全国巡回展が行われています。しかし、札幌ではまだこの展示がなされたことがありません。5大都市のなかで、水俣展が開かれていないのも札幌だけです。そこで、来年5月、水俣展を札幌で開くことにしました。これが「水俣・札幌展」です。しかも会場は北大の学術交流会館。ということで、私たち北大にいる者は、それを主体的にサポートしたいものです。

 すでに毎月1回、「水俣・札幌展」の準備会が環境サポートセンターで開かれています。毎回50名近くの市民が、ボランティア希望者として参加しています。

水俣・札幌展 2004年5月30日(日)〜6月13日(日)10:00〜20:00/15日間
「水俣・札幌展」記念
北大連続講座
水俣病と私たち
2004年4月22日−5月27日
毎週 月・木曜日 18:30−20:00

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「自然を見つける物語」

 〜このテーマに関する業績〜 
をクリックすると表紙や詳細が、下線部からは本文が見られます。)

  単著 小野有五(2004)大学を高木学校に変える「市民科学通信」高木仁三郎著作集第9巻:月報10(pp.9-11)
単著 小野有五(2002)木の声が聴こえませんか?:北大のハルニレ・ポプラの老樹伐採に反対した355日、モーリー、No.6, pp.54-58.
  単著 小野有五(1999)千歳川放水路計画から環境問題を考える、地理教育研究会(編集)、現代社会をどう教えるか(pp.120-124)、古今書院.
単著

小野有五(1999)自然との共存をもとめて、北海道新聞社(編集)20世紀の北海道(pp.277-278)、北海道新聞社、320p.

共著

小野有五(1999)自然の変貌:北海道は「森と湿原の島」だった、北海道新聞社(編集)20世紀の北海道(pp.4-7)、北海道新聞社、320p.

単著 小野有五(1999)ヒマラヤで考えたこと、岩波ジュニア新書、岩波書店、182p.
単著 小野有五(1998)アルプス・花と氷河の散歩道、東京書籍、87p.
共著 小野有五(1998)めざせ、地球の「臨床医学」:地球環境科学のすすめ、岩波書店編集部(編集)科学のすすめ(pp.213-236)、岩波書店、236p.
単著 小野有五(1997)自然環境とのつきあい方・第3巻:川とつきあう、岩波書店、142p.
単著

小野有五(1997)北海道:森と川からの伝言、北海道新聞社、290p.

単著

小野有五(1997)ふるさとのくらし・日本のまちとむら 6 開拓農村のくらし:大規模酪農のむら(市川健夫・監修)、小峰書店、55p.

単著 小野有五(1996)自然をみつける物語 1 川との出会い、岩波書店、191p.
単著

小野有五(1996)自然をみつける物語 2 森の時間、岩波書店、208p.

単著 小野有五(1996)自然をみつける物語 3 山のひみつ、岩波書店、203p.
単著 小野有五(1996)自然をみつける物語 4 島への旅、岩波書店、238p.

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