Blog - スーパーサイクル,四波源域,M9クラス地震の“新説“よりもっと考えるべきこと!
ボクがやってきたことで,もっとも肝心なのは,宮古・田老,陸中野田,洋野町・戸類家,下北・東通村,噴火湾・森,日高沿岸,十勝〜釧路〜根室,それぞれの地で,それぞれの土地条件と人々の住まい方に応じて,それぞれの間隔でやってきた超巨大津波がくりかえし住民の生命,財産を破壊し,翻弄してきたことだ.
サイエンスとしての超巨大地震,津波は,今後どんどん進展するにちがいない.それはそれで重要である.しかし,人が住むそれぞれの集落・土地で,どれほどの津波が,どれほどの間隔で襲ってきたのかが具体的なイメージを持って,それぞれの地の日常に即してわからなければ,本当の意味はないのではなかろうか?
こう考えると,岩手最北部の洋野町や野田村で数千年間に十数層の津波堆積物が教えている400間隔くらいの津波は,それぞれの時期毎に,それぞれの地の人間の生命,生業に重大な局面,状況をもたらしてきたにちがいない.下北・小田野沢集落は,この1200年間に,5回の津波に襲われた:ここはほぼ200年ごとに津波に襲われる土地条件が生活の場だということだ.
こんなふうに,それぞれの土地と,そこに生きる人々と津波との関連を分析的に観ることが,何よりも肝心なのだと確信する.M9クラスの波源域やスーパーサイクルの議論よりも,こっちの問題がもっと丁寧に検討されるようになってほしい.