Blog - 科学(岩波書店)に書いた津波のこと
今日,発売の科学(岩波)に,「千島海溝・日本海溝の超巨大津波の履歴とその意味:仮説的検討」という論考を書いた.このことについて知っていた記者さん達だけが,それぞれの新聞に掲載することになった(共同通信の記者さんが,大変な嗅覚と根性のある人で・・・・:だから全国に配信される).予想はしていたけれども,反響が大きくて(大きすぎて),かなりとまどっている.内容は,3.11 津波規模の津波が,過去3500年間についてみると,今回の波源,三陸沖北部(岩手〜下北沖),襟裳沖〜根室沖でそれぞれに1000年間隔くらいで発生してきた,その地震はM9クラスだろうというものです.これまで15年近く,北海道沿岸で400地点くらいで巨大津波履歴を調べてきて,もう定年だから,このまますーっと消え去るつもりでいたのに,3.11津波の様相を見てしまった今,全部を出して,研究者とし考えてきたこと,考えられることを残しておかねばならない,と,何度も言ってきたことのくり返しにしかならないのですが・・・・,年末・年始のNHKの放映も,なんだか目立ちすぎて・・・,あんな格好よくなくて,本当に泥臭いのです.子供の泥遊びの発展したものに感覚的には近いと思っています.
それにしても,こういう反響の大きな内容は,報道関係すべてに公平に伝わるようにしなければいけないのだろう,どうすればいいのだろうか?,事前に”宣伝”みたいにはしたくないし・・・,察知した記者さんだけが”スクープ”していることになってしまった.
もう,これを最後にしたいなあ・・・・.