Blog - 北海道の新津波浸水予測図
6月28日,北海道は見直しを進めていた新たな津波浸水予測を公表した.
北海道新聞は,”浜中34.6メートル 国内最大” ”浸水内陸十数キロにも”という見出しで,一面トップ.当然とはいえ,やはり新聞だとこういう記載にならざるを得ないのでしょうね.
北海道の津波検討で,最も重要なことは,世界中でこれほど数多くの地点でこれほど正確な津波堆積物,過去数千年におよぶ津波履歴が調査され,それを説明できるモデル(数値計算)を考えた例は,どこにもない,ということなのですね.先般公表された南海トラフの津波予測とは根本的に違います.南海トラフの場合は,起こりうる地震を”現在のすべての科学的知見を投入して,地震のモデルを設定し”,それによって津波を発生させた”架空の津波”で,北海道のように津波が運んだ砂や石の証拠によっているわけではないのです.この区別は重要です.
しかし,やっぱり数値計算は数値計算で,とくに陸上にあがってからの津波の遡上プロセスは,地形の違い(谷や平野:たとえば狭い谷か広い河口の三角州平野か,あるいは勾配のやや大きい扇状地なのか,泥炭湿原なのかなど標高分布や勾配にかかわる違い,広さや形状にかかわるちがいなど・・・)や植物,建物など障害物などによって大きな影響をうけ,モデルでは限界があります.津波の挙動で最もわかっていない,モデル化(計算)しにくいところです.大きな河川に沿っては,信じられないような上流にまで達するでしょう.
沿岸が切り立った崖で,やや深い海が打ちつける海岸では,とんでもない高さの津波が,計算上は出てきてしまいます.
ですから,浜中34mなどという数値にビックリ仰天するのではなく,だからといって数値計算にすぎないと安易に見過ごすのでもなく,超巨大津波はいつかは必ず来ると常に考え,備えておくことがなによりも重要なのだと思う.
備えは,小学生からお年寄りまで,ひとりひとりが考えられるような”情報”と”知識”を自ら作りながら,日常的に更新できるような仕組みが肝腎だと思う.道,各市町村の行政は,このような観点をもって防災行政に取り組んでほしい.
ハザードマップを作り,住民に配布するだけでは,ひとりひとりの命は守れないと思う.,
北海道新聞は,”浜中34.6メートル 国内最大” ”浸水内陸十数キロにも”という見出しで,一面トップ.当然とはいえ,やはり新聞だとこういう記載にならざるを得ないのでしょうね.
北海道の津波検討で,最も重要なことは,世界中でこれほど数多くの地点でこれほど正確な津波堆積物,過去数千年におよぶ津波履歴が調査され,それを説明できるモデル(数値計算)を考えた例は,どこにもない,ということなのですね.先般公表された南海トラフの津波予測とは根本的に違います.南海トラフの場合は,起こりうる地震を”現在のすべての科学的知見を投入して,地震のモデルを設定し”,それによって津波を発生させた”架空の津波”で,北海道のように津波が運んだ砂や石の証拠によっているわけではないのです.この区別は重要です.
しかし,やっぱり数値計算は数値計算で,とくに陸上にあがってからの津波の遡上プロセスは,地形の違い(谷や平野:たとえば狭い谷か広い河口の三角州平野か,あるいは勾配のやや大きい扇状地なのか,泥炭湿原なのかなど標高分布や勾配にかかわる違い,広さや形状にかかわるちがいなど・・・)や植物,建物など障害物などによって大きな影響をうけ,モデルでは限界があります.津波の挙動で最もわかっていない,モデル化(計算)しにくいところです.大きな河川に沿っては,信じられないような上流にまで達するでしょう.
沿岸が切り立った崖で,やや深い海が打ちつける海岸では,とんでもない高さの津波が,計算上は出てきてしまいます.
ですから,浜中34mなどという数値にビックリ仰天するのではなく,だからといって数値計算にすぎないと安易に見過ごすのでもなく,超巨大津波はいつかは必ず来ると常に考え,備えておくことがなによりも重要なのだと思う.
備えは,小学生からお年寄りまで,ひとりひとりが考えられるような”情報”と”知識”を自ら作りながら,日常的に更新できるような仕組みが肝腎だと思う.道,各市町村の行政は,このような観点をもって防災行政に取り組んでほしい.
ハザードマップを作り,住民に配布するだけでは,ひとりひとりの命は守れないと思う.,