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Blog - 日本海岸の巨大津波履歴

日本海岸の巨大津波履歴

カテゴリ : 
Diary
執筆 : 
hkazu 2012-6-26 7:00
およそ3ヶ月ぶりに書きます.
3月末で特任期間も終わり,解放されて生まれ故郷の渥美半島・豊橋に帰郷しました.とはいえ,まだ北海道にもやるべき事が残っていて,しばしば”帰って”います.

そううちのひとつが,かねてより観たいと思っていた,1993年北海道南西沖地震・津波の被災地,奥尻島の津波堆積物です.1993年に20mを越える津波が生じ,百数十名の犠牲者がでたのだから,必ず同じような巨大津波が過去にもあって,それらは津波堆積物として残されているにちがいない,と思ってのことでした.
4月下旬に現地調査:ありました.すでに,北海道ではNHKや民放,北海道新聞が報道しています.
1993年津波遡上が大きかった南西海岸の完新世段丘上に,土壌,火山灰などに挟まって4〜5層,これまで観てきた十勝沿岸や東北・気仙沼などと同じ堆積相で段丘崖に露出しています.
それらは次のように重なっています:

1993年津波堆積物
人為堆積物
1741年渡島大島火山崩壊津波砂礫層
斜面堆積物
1640 Ko-d火山灰
黒ボク土壌
津波砂礫層1 13~14 C.
黒ボク土壌  (AD947 のB-Tmテフラを挟む)
津波砂礫層2 紀元前後〜2〜3世紀ころ
泥質土壌, Ko-fテフラ?
津波砂礫層3 2.9kaころ
泥質〜砂礫質土壌・堆積物
津波砂礫層4? 3.5 ka ころ?
沖積砂礫層

C-14年代,駒ヶ岳起源のテフラ,タービダイト年代(1993地震以降,海底堆積物調査が集中的に実施された)などから,これらの発生年代はかなり正しいとおもいます.したがって,600ないし700年〜1000年ほどの間隔で,くり返し,巨大津波が奥尻島の南西部を襲ってきたことになります.1993年南西沖地震はMw 7.8で巨大津波を引き起こすような震源域の広さをもっていません.津波も,奥尻島の狭い範囲だけで巨大でした.それにも関わらず,奥尻島にはこのような数千年間の津波履歴が段丘上に堆積物として記録されている事実が重要だと考えます.震源域ー波源域と奥尻島の位置,海底地形などが関わっているのでしょう.
しかし,いわゆる日本海東縁を眺めると,1964新潟地震,1983日本海中部地震,1993北海道南西沖,1940積丹沖とこの100年足らずの間に連発してきました.これらの地震領域で,南西沖と同様に”ローカルな”巨大津波=地震が発生したかどうかを調べれば,地震のくり返し性についても議論できるに違いありません.佐渡沖,天売・焼尻沖〜利尻沖も重要です.いわゆる”新生日本海東縁プレート境界”の議論にも関連すると思われます.
ともかく,日本海も波高し!です.調査・研究が急がれます.
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